交渉事には相手の一番大切にしていることを押さえると円滑に進みやすい

2022年1月13日

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誰かと物事を調整しないといけない時、それぞれの価値観や意図がすれ違い、話が難航することがあります。

特に、お金が絡むような話の調整がある時、どうやって相手を納得させようかと考え、自分の価値観をもとに説得する方法を考えがちです。

大事な商談や話し合いをする前に、相手が何を大切にしていて、どんな言葉だと心が動きやすいのか、ざっくりとでも大きく掴んでから対策を考えることで円滑に進む可能性が高くなります。

あるサロンを経営している方の事例があります。
店舗を借りているビルの補修作業を機に、ビルのオーナーに共有スペースのリニューアルも提案したいという思いがありました。

実際にお金がかかる場面になると、やはり提案は慎重になります。
どう話して、何を主張したら自分の提案を受け入れて、改修のためにお金を出してもらえるだろうかと悩みます。

このサロンの経営者は、考えました。

なぜ共有スペースの改修が必要なのかを、筋道を立てて、レポートを立て、どこがどのように問題があり、改修すると何がどう改善して、どんな良い影響が出るのかを予測してデータでまとめて提出したらどうだろうか。


もし、文句を言われたら、長年、家賃を払い続けている。だから、そう提案する権利はあるという主張をうまく、失礼のない形で言って、入居者の要望としてはっきり伝えて納得してもらう流れにしたらどうだろうか。 難しいだろうか?言い過ぎだろうか?


このサロン経営者とビルのオーナーの出生情報から、それぞれの価値観や行動、判断タイプを調べることができます。 二人のタイプの違いはデータで明確です。


改修を望んでいるサロン経営者は、データや論理に関することが得意であり、物事を進めるには、分析されたデータや、一般論を大切にする傾向があります。責任感が強く、自分の立場に合った判断や責任の負い方をするタイプの人です。


それに対して、ビルのオーナーはどうでしょうか。 平和主義で、仲間を大切にする愛情深いタイプ。感情重視な傾向があります。そして、データや論理は苦手な傾向が出ています。 一番大切にしていると想像できる価値観は、 「大切にしている仲間が自由に楽しく集えるオープンスペース、居場所作り」 と読み取ることができます。


改修後の効果を予測して数字で提示することはもちろん大切です。
しかし、このタイプの場合、データは話し合いの2番手に出すものとして準備はしておき、話し始めは、やはり、オーナーの価値観をくすぐる言い方から入る方が円滑になります。


「誰か一人が得をする考えは嫌い」なタイプのオーナーです。 この改修をすることで、利用している人全員が喜ぶものだと示す必要があります。


また、未来をいつも描いている人です。 この改修が将来、フレキシブルに時間や時代に合った形に変えられるような、可変性のあるデザインや使い方がさらに加わると喜ぶはずです。

利用している人たちが、将来、〇〇となってもこんな風に形を変えて使うことや、こんな利用方法もある。そんな、今だけでなく未来にもつながるような期待、希望を盛り込むアイデアで、改修を提案すること。
と、お話させて頂きました。


傾向がつかめたら、あとは、いつも接しているオーナーの顔や言葉、行動を想像しながら、どんなアイデアだったら良いか。どのタイミングでどんな声の掛け方をしようかと詰めていく段階になれば、自分で考えることができます。


このサロン経営者の方は、共有スペースを改修すると、他の店舗の方々もこんな使い方ができて、全員が便利になる具体的なアイデアを考え、また、将来、入居の店舗が変わったとしても、どんな店が入っても便利で有益であると思えるような設計案を考えました。


そして、オーナーに提案すると、2番手に用意していた、数字で分かる効果は必要なく、スルッと案件が通り、工事が決まったそうです。


その時のオーナーからの一言 「全員がそんなに便利になって喜んでくれるのならいいよ。やろう」 と即答だったそうです。


事前に作戦を考えていて出てきたデータの、そのままの声に思わずニヤリ。 聞いておいて良かった。 そう強く感じたそうです。

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